【出張授業レポ】名古屋市立平針中学校で金融教育をテーマに3日間授業をしてきました

出張授業の経緯

まずは出張授業の経緯からですが、学校の出張授業については毎度ご連絡をいただき承っています。

断るとしたら日程の問題になりますので、基本的に学校からの依頼は断りません。今回も事前にオンラインの打ち合わせを行い、その後日程調整の上、3日間の出張授業をやることになりました。

打ち合わせ時に内容もある程度決めるので、その後はメールにてやり取りを行います。

最近愛知県内での依頼は、“キャリアナビゲーター”と呼ばれる方からの依頼が非常に多く、いくつも連絡をいただいております。それだけ学校で金融教育をやろうという熱が高まっているんだと思いますが、その環境の変化はとてもうれしく思います。

ちなみに学校の出張授業については、講師料や交通費などもすべて“無料”で受けています。その代わり今回のように、出張授業のことを記事で使わせていただいております。写真についても、許可をいただいたものは掲載をすることがあります。

そのあたりが問題なければ、すべて無料で受けていますので、もしご要望があれば以下のメールアドレスへその旨お気軽にご連絡ください。
assistant@money-shift.co.jp

ではここからは実際に行った授業についてお話しします。

1日目:10 代から学ぶ“経済のしくみ”と投資の基本」〜株式会社ってなに?お金が世の中を回す仕組み〜

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1日目の授業風景

初日は“世の中の仕組み”というテーマで、みんなのお金がどこからきてどこにいっているか?、経済の仕組みから学べる内容にしました。

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構成はこんな感じです
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みんながコンビニで使ったお金はどこへ行くかを考えるスライド

なぜこのような授業をしたのか?ですが、「お金を大切にする」「無駄遣いをしない」という考えは、基本的に大賛成です。ただ、「お金そのものに価値を感じて大切にする」という考えを持ってしまうと、「お金は大切だから使いたくない」とか、「1%でも減る可能性があるなら投資はしたくない」というような、非常に保守的な考えを持ってしまう危険があると考えているからです。

保守的だと問題があるのか?ですが、今の社会システムでは“リターンを得るためにあお金を使う”というのが、多くの場合必要になっているように思うからです。

なるべくお金を使わずに(リスクを取らずに)、大きなリターンを得るというのは、絶対無理とまではいきませんが、多くの人がそれをしたいが故、ライバルが多くかなり難しいと思います。

ただこのような話を中学生にしてもイメージしにくいと思いますので、授業では「お金ってのはただ世の中をぐるぐる回っている、それだけのものなんだよ〜」というような感じで、フランクに話しています。

この話を知ることで、仮に今手元のお金を使っても、またぐるぐる回って戻ってくるというイメージを持ってもらえると思ったからです。

実際に授業中一人の生徒が、「ん?てことはお金って使っても、また戻ってくるの…?」とぼやいてました。※個人的には狙い通りでした

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お金はただ世の中をぐるぐる回っているだけというスライド

1日目は他にも「株式会社の仕組み」について話したり、

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株式会社とは?をイラストで解説
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会社を作ってバナナジュースを販売するまでを図解

「投資とはなにか?」を話しました。

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投資の話に任天堂は使いやすいです

授業終了後に生徒たちから感想をいただいたのですが、「株式会社の作り方が分かった。とても興味深いものだった。大人になったら一度会社を作ってみたい」「お金はただぐるぐる世界を回っていることが分かった。自分の手元にあるお金も、ずっと前に自分が持 っていたものだと思うと、不思議な感覚がした。「法人」って何だろうと思っていたので、意味が知れてス ッキリした」など、とても嬉しい感想ばかりいただきました。

この話を前提に、次回は“投資”について深掘りしていきます。

2日目:「これからの時代を生きる“お金の力”を育てる授業」〜中学生からはじめる、おこづかいでは終わらないお金の学び〜

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2日目の授業風景①
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2日目の授業風景②

2日目のテーマは“投資”なんですが、ただ株式や投資信託を学ぶものではありません。どちらかと言えば、『自己投資』が大事ということを知ってもらいます。

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2日目の授業構成はこんな感じ

まずはそもそも“投資”には、2種類あるということを理解してもらいます。

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一般的な投資である“他者投資”
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実は大事なのは“自己投資”

授業では各投資について説明した後、「この2つに共通することが何かわかる人ー?」とクイズを出しました。投資ということなので、やはり「リターンが得られる」という回答が多いわけですが、今回の正解としては「どちらも成果が大きくなるには時間がかかる」と伝えました。

「投資=リターンが得られる」というのも、もちろん間違いではありません。ただ多くの人が投資については、短期的に儲かったり損したりするというイメージを持っていて、それだとなんだか“投資=楽して儲けるもの”と思われてしまいそうだなと思い、そういうものから切り離すため今回の回答にしました。

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2つに共通するものは何か?のスライド

その流れから、逆に「投資をしないとどうなるか?」についても話します。

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自己投資をしないとどうなる?
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他者投資をしないどうなる?

授業の狙いは“自己投資”の大切さを知ってもらうことですが、一方で今のようなインフレの時代では、他者投資も大切です。そのため、「他者投資をすると資産が増える」という表現ではなく、「他者投資をしないと資産が減る」と伝えています。

授業では「うまい棒」の値上げを例に話しますが、「仮にうまい棒が1本100円になっても、100円は100円なんだから、別に大丈夫って本当に言える?それって、おお金が元本割れしてない?」というような問いかけもしました。生徒たちは「たしかに…」というような反応をしていました。

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お金が“元本割れ”する時代ということを知ってもらう

さらに、このような状態で多くの人がなぜか大丈夫と自分に都合良く考えて、気づいたら大変な状況になってしまっているという話をしました。授業でも、“ゆでガエル現象”に触れて伝えました。

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環境の変化がゆっくりだと人は気づくことができない

ただ、まだまだ学生生活が長く、未来あるこどもたちなので、他者投資よりも自己投資をメインに考えてほしいと個人的に考えているため、こんなクイズもやりました。

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世界長者番付TOP5を当てるクイズ
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正解は“自己投資”

「正解は、自己投資でした〜」と伝えると、「え!?そうなの!?」という声がいくつも聞こえきました。

今回の授業では、「他者投資は今の時代やらないとまずい」と感じてもらいつつ、「でもリターンが高いのは自己投資だからそっちを優先してやらなきゃ」と学んでもらえればと思い、このような構成にしました。

生徒たちからの感想では、「自己投資と他者投資の違いがいまいち分かっていなかったから、今日は他者投資も 大切だけれど一番は自己投資をした方が儲かると知れて良かったです。」「自己投資が知識の習得と言う意味があったとはじめて知って驚いた。何事にも時間 がかかるのは当たり前だと良く分かったから自己投資と他者投資をやってみたい。け れど、今は自己投資に力を入れるべきだと思った。」など、なんとも嬉しい感想をたくさんいただきました。

3日目:「キャリアは一つじゃない!〜にぐ先生と考える“未 の自分”の描き方〜」〜正解のない時代に、自分らしく生きるヒントを〜

最終日である3日目は、ぼく自身のキャリアについても知っていただき今の時代色々な働き方があるよということを学びます。

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3日目の授業構成はこんな感じ

まずは「おすすめの投資先」ということですが、実はこれは“投資詐欺”についてのお話です。「こんな投資ツールあったらやってみたい?」ということを聞いたら、数名が手を挙げました。

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質問したのはこんな内容

そしてネタバラシ。笑

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ぼくのまわりでも色々な種類の詐欺が横行しています

投資詐欺については、どうしたら防げるか?みたいな話って結構難しいんですよね。みなさん「自分は大丈夫」と思っているのに引っかかるから、相当信じる要素があるんだと思います。

ぼくがこれまで受けた相談では、多くのケースが「友達からの話」でした。通常の状態であれば信じないような話でも、友達からとなると別です。「まさかこの友達が自分をだ騙すわけない」というバイアスから、あり得ないような話も聞いてしまうのです。

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なぜ人は詐欺に遭うのか?のスライド

みなさんもいくら信頼できる友達からの話であっても、1ミリでも「ん?」と思うような話であれば、100%詐欺なので気をつけましょう。

そこからはぼくのキャリアや世の中の様々な働き方について、話をしました。

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ぼくの大学卒業から現在まで

最終的には、働き方よりも生き方を優先して、それに合わせて働き方を決めてほしいと伝えました。

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働き方より大事なのは生き方
自分自身でもどんな生き方がしたいか?を考えてもらうワークでしたが
時間切れになりました笑

最後のまとめでは、「働き方や生き方に正解はない。強いていえば、人様に迷惑をかけずに好き勝手生きるのが正解かもね。」というなんとも締まりの悪い終わり方をしました。

ただこれについても、正解がないからこんな終わり方しかできないけどという補足はしました。

3日目の授業の写真や感想はまだいただいてないので、いただき次第掲載しますが、また嬉しい感想がもらえるのを楽しみ待ちたいと思います。

さいごに

ということで今回は愛知県の中学校での授業レポでしたが、いかがでしたでしょうか。このような授業だけじゃなく、ご相談いただければ他の内容も承りますので、なにかご要望があればお気軽にメッセージをいただければと思います。

・問い合わせはこちらから
assistant@money-shift.co.jp

金融教育という授業は、本来すべてのこどもに対して平等に機会が与えられるべきだと思いますが、残念ながらまだまだ受験などに必要な科目が優先されてしまいます。

もちろんそれも“生きる力”として必要なのかもしれませんが、金融教育を受けずに大人になった“今の大人たち”を見てもわかるように、金融リテラシーの高さによって、生きやすさも変わってしまうように思います。

もちろんそんなの関係ない、お金のことなんて考えなくても良い世の中になるなら、その方がおそらく美しいし、それを望んでる人も多いのではとも思います。

ただ今のぼくたちは、生まれながらにして資本主義という経済システムの中に放り込まれてしまったんです。それであれば、やはりお金を無視して生きていくのは大変です。

今の社会システムでは、お金があり過ぎて困るということはなくても、無さ過ぎると困ってしまうシステムなんです。

そのことを全員が正しく受け止めて、多くのこどもたちがお金について学べる機会を、もっと増やしていけたらないいなと、そんなふうに思っています。

ということで今日のnoteは以上になります!
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました!

にぐ

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