お小遣いに妥当な金額はいくらか?そもそも正解はあるのか?

こんにちは!にぐです。
今日は多くの方が考え込んでしまう、「お小遣いの金額」についてお話しします。
まず始めに、なぜみなさんは「お小遣いの金額をいくらにしようか?」、迷ってしまうのでしょうか?おそらくそれは、「渡す金額によって、こどもの将来を左右してしまうかも…」と考えるからではないでしょうか?
実はその考え、半分正しくて半分間違えています。
というのも、たしかに渡し過ぎはよくないですが、お子さんの将来を左右するのは金額よりも別のポイントにあるんです。「え、なにそれ?」と思った方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 正直、金額はいくらでもいい
- こどもの将来を左右するのは…??
- 継続のコツは基本の習慣化
- さいごに
1、正直、金額はいくらでもいい
まずはじめにお小遣いの金額についてお話ししておきます。見出しにもあるように、正直お小遣いの金額はいくらでも良いです。もう少し現実的に言うと、あまり拘る必要はないということです。
どういうことか?
お小遣いの金額でこどもの将来が決まってしまうと考えるというのは、どの会社で働くかによって人生が決まってしまうと言っているようなものなんです。だから会社選びがとにかく大切と言っているのと同じなんですが、こう言われたら、半分正しくて半分間違えてるという意味がわかってくるのではないでしょうか。
たしかに会社によって給与水準やどんな人が集まるかは異なるため、ある程度の“傾向”はあるかもしれません。でもどんな会社であっても、“充実した人生を送れてる”と感じる人もいれば、“人生が辛い”と感じる人もいます。つまり、会社だけが要因となって、人生を左右するわけではないんです。
お小遣いについてもこれと同じです。お小遣いの金額だけが、こどもの将来を左右するわけではありません。こどもの将来を左右する要因には、もっと大切なことがあるんです。



2、こどもの将来を左右するのは…??
では一体、何がこどもの将来を左右するのでしょうか?
こどもの将来を左右する、お小遣いの金額より大切なもの…。
それは、“親の覚悟”です。
親の覚悟と言われても、ただ毎月一定額渡してるだけだし、特に何をするでもないんだけど・・・
こんなふうに思いましたか?
親からしたら「ただ毎月一定額渡す」だけでも、こどもがお金について考えるようになるから、“金融教育をしてる”と思ってしまうかもしれません。
こどものためを思うその気持ちはとても素晴らしいもので、誰にも否定されるものではありません。ただ残念ながら、それは、“金融教育”ではないんです。
たとえばこどもが通っている塾の先生が参考書とドリルだけ渡して、「しっかり勉強させてます」なんて言っていたら、みなさん「え?どこが?」って思いませんか?
ただ渡すだけなら自分でもできるんですけど…って、思いますよね…??
これと同じで、「ただお小遣いを毎月一定額渡してるだけ」というのは、たしかにお金は渡していますが、それだけでは教育にならないんです。それでは先ほどの塾の先生と、やってることが同じです。
じゃあ、どうすればいいのか?
もしみなさんが金融教育としてお小遣いを渡したいと思っているなら、たとえばこんなやり方があります。
・PDCA(予算を立てる→実際にお金を使う→お金の使い方を振り返る→次の使い方に活かす)をまわす
・お小遣い制度を導入する代わりに家事を手伝ってもらう
など、他にもやれることはたくさんありますが、要するにお小遣い制度を起点として、積極的に関わって、サポートをしていく必要があるんです。
つまり親の覚悟が必要というのは、色々とやることがあるけど、そこにエネルギーを注ぐことができますか?ということです。
ただ安心してください。
もちろんはじめから全部をやる必要はありません。
少しずつやっていけばいいんです。
ただその前に、まずは親であるみなさんが、お小遣い制度を導入してお子さんに教育をするつもりで関わることができるか?その覚悟があるか?を、自分自身に確認してみてください。
※2020年に経済協力開発機構(OECD)により「金融リテラシーに関する OECD 理事会勧告(“Recommendationof the Council on Financial Literacy”)」が行われましたが、この中でも出来るだけ早い年齢から金融リテラシーを養うことや、若年層向けのコンテンツを作成すること、適切なトレーニングのガイダンスを提供すること、継続的にアプローチすることが求められています。
引用:OECD による金融リテラシーに関する国家戦略策定の勧告(大和総研)



3、継続のコツは基本の習慣化
とはいえそんなに複雑なことをやったり、多くの時間を割かなければならないか?と言われたら、全然そんなことはありません。
お子さんが自分で考えて行動できるような、つまり“自己効力感が高まるような”トレーニングとしてのお小遣い制度をサポートしてあげたらいいんです。
いわば親は、お小遣い制度の“メイントレーナー”です。
その意識を持ってお小遣い制度を継続していけば、お子さんの将来を左右するほどの、様々な効果を期待することができます。
簡単にできることとして、先ほども挙げましたが、お小遣い制度を導入する代わりに、こどもにも家族(組織)の一員として、家事手伝いをやってもらうところからはじめましょう。
スタンフォード大学で新入生担当学生部長をしていたジュリー・リスカット=ヘイムス氏によると、「ハーバード大学で長年行われているGrant Studyの調査では、人生における職業上の成功、つまり私たちが子供たちに望んでいるようなことは、子供の頃に家事をしたことで得られるということ、そして、家事は早ければ早いほど良いということ、そして、袖をまくって手伝うという考え方、つまり、「嫌な仕事もあるけれど、誰かがやらなければならない、私がやればいい」という考え方、そして、「全体の改善のために努力する」という考え方、それが職場で成功するための鍵だということが分かりました。」と話しています。
引用:TED|ジュリー・リスコット=ヘイムス: 我が子を成功させる、やりすぎない子育て
お小遣いのルールを親子で決めたら後はお小遣いを渡すたびに、ルールを破ったりしていないかの確認を行います。
その際、あまり期間が空くとうまくPDCAをまわせないので、周期については1週間がちょうどいいでしょう。
なので、これまでお小遣いを毎月一定額を渡すだけだったご家庭であれば、以下のように変えてみてください。
①渡す頻度を毎週一定額にする
②お金の使い方を親子で振り返る(親は評価しない)
③お小遣い制度導入の代わりに手伝う家事を決める
まずはこの基本的な方法で始めていき、慣れたら他にも教育的要素を盛り込んでいくといいでしょう。長期間続けることができれば、それはいつしか習慣化されていくはずです。
人間が新しい習慣をつけるには、平均66日かかると言われています。これはロンドン大学のPhillippa Lally博士らの研究で明らかになったデータです。お小遣い制度の場合、親子の確認は週一ですが、何に使ってどう思ったか?は、毎日できるのでやってみましょう。※ただし習慣化の日数については個人差もあることには注意が必要です。
引用:新しい習慣を身につけるまでの平均日数とは?(KW JAPAN)



4、さいごに
さて今回の記事のテーマは「こどものお小遣いはいくらにしたらいいのか?」というものでした。
それに対してぼくの回答は、“親のサポート体制ができていれば、金額について頭を悩ませるような問題じゃない”というものでした。
金融教育を家庭で早いうちからはじめることで、こどもの金融リテラシーアップはもちろん、親の金融リテラシーも上げることができます。金融リテラシーは今の時代、すべての日本人が必須とも言える能力(=リテラシー)の1つです。
塾で勉強を教える先生が、
サッカークラブでサッカーを教えるコーチが、
家庭で金融教育を行う親が、
教えるのを面倒臭いと思えば、それを教わるこどもの能力は当然伸びません。
ぜひご家庭でも“お小遣いを介したコミュニケーション”を積極的にとり、家族全員で金融リテラシーを高めていけるような環境作りをしてみてくださいね。
それでは今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
にぐ

